ショベルヘッド
ハーレーOHVの第3世代にあたるショベルヘッド。 66年から'69年に生産されたジェネレーター搭載のパンヘッドの腰下を流用したアーリーショベル、それ以降をレイトショベルと呼んでいます。
ちなみに、ビッグツインショベルが誕生する9年前、スポーツスター エンジンとして搭載されたのが最初のショベルヘッドとなります。 ハーレーのエンジンの愛称は形状から付けられており、ショベルヘッドもロッカーアームのカバーが「ショベル」に似ているところから付けられております。
経営危機による失われた信頼
ショベルヘッドは、エンジンの振動、オイル漏れ、オーバーヒートなどの前モデルパンヘッドに比べれば改善されたものの、この時代から日本車、ヨーロッパ車などのバイクには高性能の面で劣り、販売台数は下降の一途をたどります。 1960年後半にはとうとう経営危機を招き、そして、69年にAMF社に買収されてしまいます。 このAMF時代に製造されたバイクはコスト削減、利益追求の経営方針により、これまで以上に製品としての性能を低下させることとなり、同時にライダーからの信頼も失うこととなってしまいます。
しかし、この危機的状況を救った人物がいます。創設者の1人であるオールド・ビル・ダビッドソンの孫に当たるウィリー・G・ダビッドソンです。 彼は、ニューモデルである「FX」など人気車種となるモデルを矢継ぎ早にリリースし、 販売台数を飛躍的に向上させ、ビックセールスを連発したのです。 その後81年にAMFからの株式買い戻し(バイバック)に繋がり、そしてエボリューションエンジンの時代へと続いていくのです。